2025年6月19日木曜日

累進配当

 企業が将来的に安定的かつ段階的に配当金を引き上げていく方針を示す制度または考え方。主に米国企業で導入され、日本でも注目されつつある。

累進配当の概要

  • 定義:減配せず、配当を維持または増加させ続けることを目標とした配当政策

  • 目的:長期投資家に安定感と成長期待を与える

  • 企業姿勢:利益の短期的な増減に左右されず、中長期的な株主還元を重視する姿勢を示す

累進配当導入の背景

  • 株価下落リスクの抑制: 業績連動の配当方針では、減益時に減配リスクが高まるが、累進配当の採用により株価下落などのリスクを抑えることが期待される
  • 投資家繋ぎ止め: 新型コロナウイルス感染症後の利益の急回復が今後は減速するとの警戒感から、積極的な株主還元で投資家を繋ぎ留めようとする狙いがある
  • PBR(株価純資産倍率)改善: PBR改善の手段として累進配当を選ぶ企業が増えている

累進配当の特徴

項目 説明
減配の回避  一時的な業績悪化でも配当を維持する方針
増配の継続      利益が増えれば積極的に配当を増やす
長期志向の経営     安定した配当政策が株主との信頼関係を築く
投資家の支持  配当目的の長期保有投資家に人気
利益との乖離リスク無理に配当を維持しようとすると財務負担が増える恐れもある

累進配当と他の配当政策の比較

配当政策 内容 企業の姿勢
配当性向重視型  利益の◯%を配当にする 利益次第で配当額が変動
安定配当型 毎年◯円など一定額を維持   安定感重視
累進配当型 減配せず、段階的に増やす 長期的な株主還元を重視


投資家の視点からのメリット

  • 将来的なインカムゲインの成長が見込める

  • 株主重視の姿勢が明確な企業と判断できる

  • 株価が配当利回りに支えられ、下値が堅くなりやすい



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