2025年6月5日木曜日

バーゼル3

 

◆ バーゼル3の概要

  • 2008年のリーマン・ショックを教訓に策定された国際的銀行規制

  • 策定主体:バーゼル銀行監督委員会(BIS傘下)

  • 目的:金融システムの安定化と、銀行のリスク耐性強化

◆ 主な規制内容

  • 自己資本の強化

    • CET1比率(普通株式等Tier1資本比率)を4.5%以上に

    • 総自己資本比率は8%以上、さらにバッファ資本(保全・カウンターシクリカル)を加える

  • リスク管理の高度化

    • ストレステストや内部モデルの精緻化

    • 市場・信用・オペレーショナルリスクの統合的評価

  • 新たな規制項目

    • レバレッジ比率の導入(自己資本 ÷ 総資産 ≧ 3%)

    • 流動性比率の導入

      • LCR:30日間の資金流出に耐えるための高品質資産保持

      • NSFR:1年超の安定資金調達の確保


◆ 各国の導入状況(2024〜2027)

  • 日本:2024年〜2025年にかけて全預金取扱機関に適用完了

  • アメリカ:2025年7月予定 → 銀行界の反発で見直し中

  • EU:2025年1月から導入決定、市場リスクは2026年に延期

  • イギリス:2027年1月に延期、米国の動向を注視


◆ 邦銀への影響

  • メガバンクはすでに高度な自己資本管理を実施

  • 地銀や信金は標準手法ベースでの対応、影響は限定的

  • 日本の先行導入により、規制順守の信頼性向上とともに、国際競争条件の不均衡懸念も指摘される

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