◆ バーゼル3の概要
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2008年のリーマン・ショックを教訓に策定された国際的銀行規制
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策定主体:バーゼル銀行監督委員会(BIS傘下)
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目的:金融システムの安定化と、銀行のリスク耐性強化
◆ 主な規制内容
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自己資本の強化
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CET1比率(普通株式等Tier1資本比率)を4.5%以上に
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総自己資本比率は8%以上、さらにバッファ資本(保全・カウンターシクリカル)を加える
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リスク管理の高度化
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ストレステストや内部モデルの精緻化
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市場・信用・オペレーショナルリスクの統合的評価
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新たな規制項目
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レバレッジ比率の導入(自己資本 ÷ 総資産 ≧ 3%)
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流動性比率の導入
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LCR:30日間の資金流出に耐えるための高品質資産保持
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NSFR:1年超の安定資金調達の確保
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◆ 各国の導入状況(2024〜2027)
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日本:2024年〜2025年にかけて全預金取扱機関に適用完了
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アメリカ:2025年7月予定 → 銀行界の反発で見直し中
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EU:2025年1月から導入決定、市場リスクは2026年に延期
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イギリス:2027年1月に延期、米国の動向を注視
◆ 邦銀への影響
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メガバンクはすでに高度な自己資本管理を実施
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地銀や信金は標準手法ベースでの対応、影響は限定的
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日本の先行導入により、規制順守の信頼性向上とともに、国際競争条件の不均衡懸念も指摘される
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