プライマリーバランス
- プライマリーバランス:国や地方自治体の財政状況を示す指標の一つ
- 日本語では「基礎的財政収支」と呼ばれる
- 社会保障、公共事業、教育、防衛などの政策経費を、税収などの通常収入でどれだけ賄えているかを見る指標
- 国債の利払い費や国債償還費を除いて計算する点が特徴
基本的な考え方
- プライマリーバランスは、政府の通常の歳入と歳出のバランスを示す
- 歳入には税収や税外収入などが含まれる
- 歳出には社会保障費、公共事業費、教育費、防衛費などの政策的な支出が含まれる
- 国債の利払い費や元本返済は除いて考える
計算のイメージ
- プライマリーバランス = 税収などの歳入 − 政策的な歳出
- 国債費を除いた収支を見ることで、現在の政策経費を現在の収入で賄えているかを確認する
プライマリーバランスが黒字の場合
- 税収などの通常収入で、政策的な支出を賄えている状態
- 新たな借金に頼らず、現在の行政サービスを維持できている状態
- 財政健全化が進んでいると評価されやすい
プライマリーバランスが赤字の場合
- 税収などの通常収入だけでは、政策的な支出を賄えていない状態
- 不足分を国債発行などの借金で補っている状態
- 赤字が続くと、政府債務の増加につながりやすい
なぜ国債費を除くのか
- 国債費には、過去に発行した国債の利払い費や償還費が含まれる
- プライマリーバランスでは、過去の借金の影響をいったん除き、現在の政策運営が持続可能かを見る
- そのため、財政運営の基礎体力を確認する指標として使われる
プライマリーバランスと財政健全化
- プライマリーバランスの黒字化は、財政健全化目標としてよく使われる
- ただし、プライマリーバランスが黒字でも、国債残高がすぐに減るとは限らない
- 利払い費が大きい場合、プライマリーバランス黒字でも債務残高が増えることがある
国債残高との関係
- プライマリーバランスが赤字
- 新たな国債発行が増えやすい
- 債務残高が拡大しやすい
- プライマリーバランスが黒字
- 借金に頼る度合いが小さくなる
- 財政の安定化につながりやすい
金利との関係
- 国債残高が大きい国では、金利上昇によって利払い費が増えやすい
- 利払い費はプライマリーバランスの計算から除かれるが、財政全体には大きな影響を与える
- 金利上昇局面では、プライマリーバランスだけでなく利払い費を含めた財政収支も確認する必要がある
日本財政との関係
- 日本では社会保障費の増加や景気対策により、長くプライマリーバランスの赤字が続いてきた
- 高齢化に伴う医療・年金・介護費の増加が、歳出拡大の大きな要因
- 税収が増えても、歳出の伸びが大きければ黒字化は難しくなる
見るときの注意点
- プライマリーバランスだけで財政の健全性を判断するのは不十分
- 国債残高、利払い費、名目GDP成長率、金利水準も合わせて見る必要がある
- 短期的な景気対策と中長期の財政健全化は、分けて考える必要がある
押さえておくポイント
- プライマリーバランスは、国債費を除いた政府の基礎的な収支
- 現在の政策支出を、現在の税収などで賄えているかを見る指標
- 財政健全化を考えるうえで重要だが、国債残高や金利も合わせて確認する必要がある