2025年9月3日水曜日

景気循環と金融政策・株価の関係

 景気循環(景気サイクル)と金融政策、株価の関係をシンプルに整理すると以下のようになる。

1. 景気拡大局面

  • 特徴

    • 生産・消費・投資が活発

    • 雇用改善・企業収益が増加

    • インフレ圧力が強まる

  • 金融政策

    • 中央銀行は「利上げ」や「金融引き締め」を行い、過熱を抑制

  • 株価

    • 企業利益の増加で株価は上昇基調

    • ただし金利上昇が進むと、株価の頭打ち要因になる


2. 景気後退局面

  • 特徴

    • 消費や投資が減少

    • 雇用悪化・企業収益が低下

    • デフレ圧力が強まる

  • 金融政策

    • 中央銀行は「利下げ」や「金融緩和」で景気を下支え

  • 株価

    • 業績悪化を先取りして株価は下落

    • しかし利下げ期待が出ると「金融相場」として反発しやすい


3. 景気回復局面

  • 特徴

    • 在庫調整が進み、生産・投資が持ち直す

    • 雇用・所得も徐々に改善

  • 金融政策

    • 低金利が続き、緩和姿勢を維持

  • 株価

    • 将来の収益改善を先取りして上昇

    • 株価は実体経済より先に回復を示すことが多い


4. 景気後期(過熱)局面

  • 特徴

    • 需要が供給を上回り、インフレ加速

    • 設備投資や雇用がピークに達する

  • 金融政策

    • 利上げ加速、金融引き締め強化

  • 株価

    • 当初は好決算で株価上昇を維持

    • しかし「金利上昇 → 割引率上昇」で株価が天井を打ちやすい


まとめ

  • 景気 → 金融政策 → 株価 は密接に連動する。

  • 株価は「実体経済の数カ月〜1年先」を先取りする傾向がある。

  • 一般的には、

    • 利下げ → 株価上昇(金融相場)

    • 景気回復 → 株価上昇(業績相場)

    • 利上げ → 株価頭打ち

    • 景気悪化 → 株価下落
      という循環が繰り返される。


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