2025年8月22日金曜日

ジャクソンホール会議とは

ジャクソンホール会議の概要

  • 米カンザスシティー連銀が毎年8月にワイオミング州ジャクソンホールで開催する経済シンポジウム。

  • 世界の中央銀行関係者や経済学者が参加し、金融政策や経済の課題を議論。市場関係者にとって「夏の風物詩」とされる。

会議の背景

  • 名称は地形(盆地が山に囲まれた「穴」状)に由来。

  • 1978年にミズーリ州カンザスシティーで初開催(テーマは「世界農業貿易」)。

  • 1982年から現在のジャクソンホールで毎年開催。

注目される理由

  • 8月は主要中央銀行の政策決定会合がなく、ここでの発言が市場の手掛かりとなる。

  • 2010年会議でバーナンキFRB議長がQE2を示唆したことが転機。以後、金融政策の方向性を占う重要イベントに。

  • 近年は地区連銀総裁も多く参加し、FRBの総意を探る場として注目度が高まっている。

QE2(量的緩和第2弾)とは

  • 実施期間:2010年11月~2011年6月

  • 内容:FRBが6000億ドルの米国債を購入(月750億ドルペース)。

  • 目的:長期金利の低下、景気回復の促進、デフレ回避。

  • 影響:米株上昇を促した一方、新興国ではドル安・資源高を通じてインフレ圧力も発生。

パウエル議長の発言

  • FRB議長の講演は最重要イベント。

  • 過去には金融政策の転換を示唆するケースがあり、市場に大きな影響。

  • 直近では「早期利下げ期待」に対し、慎重姿勢を示す可能性も注目されている。

今後の予定(2025年)

  • 開催日:8月21〜23日。
  • テーマ:「移行期の労働市場」。

  • FRBパウエル議長の講演に加え、日銀・植田総裁など各国中銀の討論会も予定。

QE1〜QE3の比較表

項目 QE1 QE2 QE3
実施時期 2008年11月~2010年3月 2010年11月~2011年6月 2012年9月~2014年10月
背景 リーマン・ショックによる金融危機、信用収縮 景気回復の鈍化、デフレ懸念 景気・雇用回復の停滞
主な内容 MBS(住宅ローン担保証券)と米国債を総額1.75兆ドル購入 米国債を6000億ドル購入(月750億ドル) 毎月400億ドルのMBS購入 → 12月に450億ドルの米国債購入追加(合計850億ドル/月)
特徴 危機対応としての緊急措置 2010年ジャクソンホール会議でバーナンキ議長が示唆、市場の注目度を高めた 「無期限・オープンエンド型」の緩和(出口が定められなかった)
目的 金融市場の安定化、住宅市場支援 長期金利引き下げ、景気・物価押し上げ 雇用最大化・景気回復、インフレ率の引き上げ
市場への影響 株価急反発、ドル安進行 株価上昇、新興国への資金流入・インフレ懸念 株高・金利低下長期化、バブル懸念

0 件のコメント:

コメントを投稿

ベータ値(β)とは

  株式やポートフォリオが、 市場全体(ベンチマーク指数など)と比べてどれだけ値動きしやすいか を示す指標。 主に投資の「リスク(価格変動の大きさ)」を測るために用いられる。 一般的に TOPIX や S&P500 のような市場指数を基準にして算出。...