購買担当者景気指数(PMI:Purchasing Managers’ Index)は、製造業やサービス業の購買担当者へのアンケート調査に基づき算出される景気指標である。世界各国で発表されており、景気の先行きを把握するための重要なバロメーターとして注目されている。
PMIの仕組み
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対象:製造業やサービス業の購買担当者
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質問項目:新規受注、生産量、雇用、在庫、仕入価格など
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算出方法:景況感が「改善した」「悪化した」と回答した割合を集計し、指数化
数値の解釈
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50を基準値
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50超 → 景気拡大を示唆
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50未満 → 景気後退を示唆
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例:PMIが52であれば「緩やかな景気拡大」、48であれば「景気の縮小傾向」と解釈される。
世界でのPMI
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米国:ISM(供給管理協会)が毎月発表する「ISM製造業・非製造業PMI」が有名。金融市場でも特に注目度が高い。
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ユーロ圏:S&Pグローバル(旧IHSマークイット)が発表。ECBの政策判断の参考材料にもなる。
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日本:auじぶん銀行やS&Pグローバルが共同で「日本PMI」を発表しており、日銀や投資家が景況感を把握する手掛かりとする。
PMIの特徴と活用
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速報性が高い:月次で早期に発表されるため、GDPや鉱工業生産指数よりも先に景気動向をつかめる。
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株式・為替市場に影響:好調なPMIは株高・通貨高につながりやすく、不調なPMIは逆の動きを招きやすい。
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政策判断の参考:中央銀行はPMIを金融政策決定の際の重要な材料としている。
注意点
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アンケート調査に基づくため、主観的な要素を含む。
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一時的な外部要因(自然災害、地政学リスクなど)で振れることがあるため、数カ月の推移を見ることが重要。
まとめ
購買担当者景気指数(PMI)は、景気の「今」と「近未来」を映す先行指標として世界で広く利用されている。
特に50を境とした動向は投資家や政策当局の注目を集め、金融市場にも大きな影響を与える。日々の経済ニュースを読み解く際には、PMIの数値に注目することで、景気の方向性をいち早く把握できるだろう。
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