2025年8月27日水曜日

購買担当者景気指数(PMI)とは

 購買担当者景気指数(PMI:Purchasing Managers’ Index)は、製造業やサービス業の購買担当者へのアンケート調査に基づき算出される景気指標である。世界各国で発表されており、景気の先行きを把握するための重要なバロメーターとして注目されている。

PMIの仕組み

  • 対象:製造業やサービス業の購買担当者

  • 質問項目:新規受注、生産量、雇用、在庫、仕入価格など

  • 算出方法:景況感が「改善した」「悪化した」と回答した割合を集計し、指数化

数値の解釈

  • 50を基準値

    • 50超 → 景気拡大を示唆

    • 50未満 → 景気後退を示唆

  • 例:PMIが52であれば「緩やかな景気拡大」、48であれば「景気の縮小傾向」と解釈される。

世界でのPMI

  • 米国:ISM(供給管理協会)が毎月発表する「ISM製造業・非製造業PMI」が有名。金融市場でも特に注目度が高い。

  • ユーロ圏:S&Pグローバル(旧IHSマークイット)が発表。ECBの政策判断の参考材料にもなる。

  • 日本:auじぶん銀行やS&Pグローバルが共同で「日本PMI」を発表しており、日銀や投資家が景況感を把握する手掛かりとする。

PMIの特徴と活用

  • 速報性が高い:月次で早期に発表されるため、GDPや鉱工業生産指数よりも先に景気動向をつかめる。

  • 株式・為替市場に影響:好調なPMIは株高・通貨高につながりやすく、不調なPMIは逆の動きを招きやすい。

  • 政策判断の参考:中央銀行はPMIを金融政策決定の際の重要な材料としている。

注意点

  • アンケート調査に基づくため、主観的な要素を含む。

  • 一時的な外部要因(自然災害、地政学リスクなど)で振れることがあるため、数カ月の推移を見ることが重要

まとめ

購買担当者景気指数(PMI)は、景気の「今」と「近未来」を映す先行指標として世界で広く利用されている。
特に50を境とした動向は投資家や政策当局の注目を集め、金融市場にも大きな影響を与える。日々の経済ニュースを読み解く際には、PMIの数値に注目することで、景気の方向性をいち早く把握できるだろう。

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